[ English Site ]

関連イベント:クロージング・シンポジウム

「お国は?」「沖縄ですが、何か?」

― ネイションとアイデンティティの対話 ―

パネリスト 萱野稔人、知念ウシ、渡辺真也
コーディネータ 前嵩西一馬
開催日時 2009年5月15日(金) 開館 18:30 開演 19:00
先着200名様までご入場頂けます。
※ご入場には「アトミックサンシャインの中へin沖縄」の展覧会チケット(または半券)が必要になります。
会場 沖縄県立博物館・美術館 講堂(3階大ホール)
お問い合わせ 文化の杜共同企業体
TEL:098-941-8200
www.museums.pref.okinawa.jp

 今年もまた、「復帰の日」がやってきます。沖縄の本土復帰を巡って、これまで大量の言葉が生み出されてきました。それらの中には、沖縄だけで流通消費す るものもあれば、その逆に、主に沖縄の外で流通して消費されているものもあるでしょう。ある時期だけの流行りものもあれば、ある世代だけに通じる叙情的な ものもあるかもしれません。「民主主義の教室」において常に「居残り組」の私たちは、これまでに何を学び、そしてこれから何を学んでいくのでしょうか。

 平和憲法と戦後美術をテーマにした「Into the Atomic Sunshine in Okinawa」展の幕を閉じるにあたって、基地(Base)、平和憲法(Constitution)、日米安保条約(Treaty)という究極のアジ クーター・メニュー ― BLTならぬBCTサンドウィッチをその「教室」の片隅で噛みしめつつ、吟味しようと思います。熱くそして冷静なパフォーマンスと討議を通して、理論・表 現・生活といった諸相から見える「復帰」の意味を改めて考えます。私たちが住む場所から、ネイションとアイデンティティについて「今の言葉」を残していけ ればと、願っています。

プロフィール

萱野稔人(かやのとしひと)
1970年生まれ。2003年パリ第十大学大学院修了。哲学博士。津田塾大学国際関係学科准教授。著書に『国家とはなにか』(以文社)、『カネと暴力の系 譜学』(河出書房新社)、『権力の読みかた?状況と理論』(青土社)など、共著に『「生きづらさ」について?貧困、アイデンティティ、ナショナリズ ム』(光文社)などがある。

知念ウシ(ちにんうしぃ)
1966年那覇市首里生まれ。むぬかちゃー。津田塾大学・東京大学卒業。共著に『人類館ー封印された扉』(アットワークス)『あなたは戦争で死ねます か』(NHK出版)『植民者へーポストコロニアリズムという挑発』(松籟社)などがある。また『沖縄タイムス』にて「ウシがゆく」を2005年7月から今年3月まで連載。2006年スタンフォード大学シンポジウム「沖縄と日本におけるジェンダー、植民地主義、軍事主義」にて発表。ピース&グリーンボート 2008東アジアクルーズにて水先案内人を務める。

渡辺真也(わたなべしんや)
1980年静岡県沼津市生まれのキュレーター。日本とアメリカにて経済学を専攻後、ニューヨーク大学大学院にて美術修士課程を修了。世界35カ国を放浪していく過程で、国民国家とアートとの関係性をテーマとした国際美術展を製作する様になる。

前嵩西一馬(まえたけにしかずま)
1971年那覇市生まれ。コロンビア大学人類学部博士課程修了。文化人類学・沖縄研究。現在、早稲田大学琉球・沖縄研究所客員研究員、明治大学兼任講師。 論文に、「文化を漕ぐ、言葉を焼べる―沖縄の近代性と共同体に関する民族誌的断章―」(『琉球・沖縄研究』第2号、早稲田大学琉球・沖縄研究所)などがある。